吉岡美術 | 骨董品買取ブログ
漆器の高額鑑定ポイント 2020年12月10日
漆器の高額鑑定ポイント
寒さも一段と厳しくなり、今年も残すところあとわずかとなりますが皆様はいかがお過ごしでしょうか。
今年は特に、ご自宅で過ごされる機会も多いかと思いますので、家の片付けや倉庫整理などが捗っている方も多いかと思います。そんな折に、家の中から価値のありそうな漆器が出てきた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
漆器は食器や根付、車体と様々な用途で古くから利用されてきました。今日においてもご家庭で日用品として使用されている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、漆器は材質や種類の幅が広く、また、産地や作家によって驚くほど高額買取になる品物が眠っていることをご存知でしたでしょうか。
今回の記事では「漆器」において高額買取につながる重要なチェックポイントをご紹介いたします。
目次
- 漆器とは?
- 漆器の価値が高騰しています
- 漆器を高く売るポイントは4つ!
- 天然素材が使用されている
- 有名作家が作成したものである
- なるべく早く売る
- 付属品を揃える
- 高額買取されやすい漆器の種類
- 香合
- お椀
- 簪/櫛
- 棗/菓子器
- 中国漆器
- 漆器の価値を見抜くことは難しい
漆器とは?
漆器とは、漆を塗り重ねて作る日本の伝統工芸品であり、木と漆という天然素材を使った温かみと実用性から、日本の伝統文化を語る上では欠かせない品となっています。
例えば毎日使う汁椀やお祝い事で用いられる重箱などの漆器から、各時代を代表する建物や仏像、芸術品まで幅広く用いられており、今日に至るまで日本の生活と文化を支えてきました。
また漆器は、漆塗り・漆液の採取・木地作りなどそれぞれの技法が必要とされ、工程ごとに職人が配置され、作られています。
しかし、日本人にとって親しみ深いがゆえに、安価で量産可能な合成塗料や合成樹脂などを用いた製品も含めて「漆器」と呼ばれているため、一般的な食器と同等の、価値が付かない漆器も存在します。
そのため高額買取に至るには、素材が優れたものであったり、著名な作家によるものであるなど一定の条件があります。
漆器の価値が高騰しています
先述の通り、漆器を作り上げるには工程ごとの職人が必要されますが、近年漆に関わる職人が減少し、漆器は希少な存在となってきています。
また、骨董買取市場においても漆器の需要が高く、買取価格が上がっている傾向があるため、漆器の買取ポイントを押さえることで高額買取が望めます。
漆器を高く売るポイントは4つ!
ここでは、高額買取になりやすい漆器のポイントをいくつかご紹介していきます。
天然素材が使用されている
先述の通り、合成塗料や合成樹脂などを使用している場合は一般的な食器と同等となり、骨董品としての価値がつきません。品質表示をチェックして、品名が「漆器」だけになっているか確認するようにしましょう。
中でも、天然木(欅、水目桜、栃、桂)を使った木製であり、天然漆を塗布してある漆器は高額買取が期待できます。
有名作家である
漆器は多くの著名な作家達が製作しました。その為、数多くの名作を生み出した著名な作家によって作られた品であれば、当然その価値は高くなります。特に北大路魯山人などの芸術家や、一后一兆、川端近左、渡辺喜三郎といった人気作家によって描かれた漆器は骨董品として高い価値がつくため高額買取が望めます。
作家名は漆器の共箱や椀の裏に記載されていることが多いので、是非一度、確認してみることをお勧めします。
なるべく早く売る
漆器は傷・欠け・汚れなどが見られない、綺麗な状態であるほど高く買い取られる傾向にありますので、定期的に状態を確認したり、手入れをすることが大切です。
長い間しまいっぱなしにしておくと、湿気が原因でカビが生えたり、反対に乾燥して傷んでしまうこともあります。大事にしまっておいても経年劣化は防げないので、今以上に状態を悪くしないためにもなるべく早く売ることがおすすめです。
付属品を揃える
漆器には、鑑定書や箱などの付属品が付いていることがあります。特に作家物の場合は、作家名・作品名が記された証明書や、サインや落款入りの共箱があると本物である証になります。
これらの付属品が揃っていると次の買い手から需要が高まることから、買取額が高くなりやすいです。
高額買取されやすい漆器の種類
香合
茶道以外に仏具としての用途のある香合は、国内外問わず需要の大きいため高額買取が期待できます。
お椀
漆器の中で最も生産量が多いお椀には、料亭や割烹などからの需要もあり、丁寧な扱いをしていた漆器は古い物であっても十分に人々をもてなすことができるため、蔵や食器棚に眠っているものがあれば積極的に査定されることをお勧めします。
簪・櫛
近頃では、若い女性たちがレトロな簪や櫛を使うシーンが多く見受けられるため、形見分けや遺品整理の際に出てきた古い漆器アクセサリーなども高額買取される場合があります。
棗・菓子器
「おもてなし」の心を持つ茶道が世界的に注目されている近頃では、棗や菓子盆といったカテゴリにもかなりの需要が出ています。
特に抹茶を保管する上で欠かせない棗は、可愛らしいフォルムと汎用性の高さによって海外からの需要が高まっており、無銘の作品でも形状やデザインが優れているものは高額買取につながる傾向があります。
中国漆器
近年、中国骨董ブームがあり、中国産の漆器にも高価買取実績が多く見受けられるようになりました。特に中国文物の海外持ち出し基準が改定された2007年以降は、20年以上前に日本に入ってきた中国漆器にかなり高い査定が付いています。
中国漆器には、黒の漆器に文字や模様を彫り込む「紅花緑葉」などの技法が用いられているため、国産の漆器とは全く異なるデザインや珍しさも高額査定につながるポイントとなっています。
漆器の価値を見抜くことは難しい
漆器は骨董品の中でも特に日本人の生活に親しみがあるため、安価に量産されてきました。そのため、作家による違いの他、素材の違いなど、見極めるためには鑑定士の実力が問われるジャンルの一つとなっています。
「無名作品だと思っていたものが思わぬ人気作家の作品だった」ということもあり得るので、詳細が分からない漆器も一度査定に出してみることがおすすめです。
吉岡美術では、過去30年で計数百万点以上の品を見極めた、骨董品買取業者としての歴史と経験があります。「”手持ちの品が高額な品かわからない”、”古くて汚れているけど価値があるの?”などお悩みのことがあればぜひお気軽にお問い合わせください。