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ガラス工芸の高額鑑定ポイント 2021年3月19日
ガラス工芸の高額鑑定ポイント
春の暖かさを感じる季節となりましたが皆様はいかがお過ごしでしょうか。
新生活に向けて気持ちを新たに、家の片付けや倉庫の整理をされる中で処分にお困りのガラス工芸品が見つかったという方もいらっしゃるかもしれません。
ガラス工芸品は、世に流通する工芸品の中で唯一天然に存在しない人工の材料を使う工芸品として独自の技術を培ってきました。
その加工技術の難しさなどから、とても貴重な存在であり、宝石と同じ価値で取引されていたとも言われています。
また、ガラス工芸は日用品から美術品まで多岐にわたり製作されており、作られた地域や年代、製作技法などによって価値が変わるため、お手持ちのガラス工芸ももしかしたら驚くほどの高い価値がつくかもしれません。
今回の記事では、 “ガラス工芸”の高額買取につながる重要なチェックポイントをご紹介いたします。
目次
- ガラス工芸とは?
- ガラス工芸の歴史
- ガラス工芸の査定ポイント
- 製造時期はいつか
- 著名な作家やメーカーの作品か
- 保存状態が良いか
- 付属品を揃える
- ガラス工芸の価値を見抜くことは難しい
ガラス工芸とは?
先述の通り、ガラス工芸は⽇⽤品から美術品まで製作されてきました。
その種類も多岐にわたっており、有名なものだけでもヨーロッパにはヴェネチアガラスやボヘミアガラス、日本なら江戸切子、薩摩切子、琉球ガラスなどが挙げられます。
ガラス工芸品の制作技法は、大きく2種類に分かれています。
1つが、「ホットワーク」と呼ばれるガラスを高温で溶かして加工する技法で、日本では琉球ガラスなどに用いられています。
2つ目は、「コールドワーク」です。こちらは成形したガラスにカットや彫刻を加える技法で、江戸切子や薩摩切子などに用いられています。
国内外問わず発展を遂げたガラス工芸は有名なハイブランドメーカーなども多く、バカラやスワロフスキーなどは耳にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
また、ガラスは紀元前から使われていると言われており、長い歴史を持つ工芸品の一つです。
ガラス工芸の歴史
ガラス工芸の歴史については諸説ありますが、紀元前にエジプトにて発祥したと伝わっています。
紀元前1世紀頃にはすでにホットワークという技法が成立していたというので驚きです。
その後も様々な色彩と輝きを放つガラス特有の美しさに魅せられる人も多く、19世紀のアール・ヌーヴォー以来、近年ますます美術品としても貴重な素材となりました。
その価値は現代においても失われることはなく、その技術も進化をし続けています。
美術品として、また骨董品として価値の高いガラス工芸品は市場においても高額で取引をされるジャンルとして人気を集めています。
さらにガラス工芸として希少性の高い特徴を持つ品であれば、高額買取が期待できます。
ガラス工芸の査定ポイント
それでは、骨董品や美術品として価値の高いガラス工芸はどんな特徴があるのでしょうか。ここでは、評価が高くなりやすいガラス工芸の特徴をご紹介いたします。
製造時期はいつか
価値を決めるポイントの一つに製造時期が挙げられます。
先述した通り、19世紀から20世紀にかけてのアール・ヌーヴォーや、アール・デコなどの芸術様式が広まった時代に生み出された作品は特にコレクターに人気が高く高額買取が期待できます。
著名な作家やメーカーの作品か
ガラス工芸は、誰が手掛けたものかどうかによっても価値が大きく異なります。
有名作家や人気のブランド・メーカーが作った作品であれば、無名の作品に比べ、より高い買取額で取引されます。
中でも有名な作家の1人であるエミール・ガレはアール・ヌーヴォーの時代の代表的な工芸家であり、ガレのガラス工芸品は世界中で高く評価されています。
その他にも、藤田喬平、石井康治、ジョエル・フィリップ・マイヤー、ドーム兄弟、ルネ・ラリック、ルイス・C・ティファニーなどの人気作家によって作られたガラス工芸は高額買取が期待できます。
不要だと思っていたガラス工芸が著名な作家によるものだったという可能性もあるため、まずは可能な限り、お持ちのガラス工芸の作家について調べてみてはいかがでしょうか。
保存状態が良いか
骨董品の価値は全般的に保存状態の良し悪しによっても左右されますが、ガラス工芸は取り扱いがとても難しく、汚れが目立つからといって拭いてしまったりすると傷やヒビなどができてしまう恐れがあります。
お品によってはお手を触れただけで、本来の価値を著しく下げてしまうことも。
そのため、ガラス工芸を見つけられた際にはお手入れをせずに、そのままの状態でお売りいただくことをお勧めいたします。
付属品を揃える
ガラス工芸には、鑑定書や共箱などの付属品が付いていることがあります。
ガラス工芸としての価値を証明する付属品なども一緒にお売りいただくことで、査定額が大きく変わります。
ガラス工芸をお売りになる際には、本体以外にも付属品などをお持ちかどうか確認してみてはいかがでしょうか。
ガラス工芸の価値を見抜くことは難しい
ガラス工芸は有名な作品が多いがゆえに数多くの贋作やレプリカなどが存在します。
たとえ本物であってもどの時期に作られたものなのかを見分けるのは難しく、作品の特殊性や使用されている技術などが価値の判断基準となるため、正しく見極めるためには鑑定士の実力が問われるジャンルの一つとなっています。
吉岡美術では、過去30年で計数百万点以上の品を見極めた、骨董品買取業者としての歴史と経験があります。”手持ちの品が高額な品かわからない”、”古くて汚れているけど価値があるの?”などお悩みやご相談があればぜひお気軽にお問い合わせください。