吉岡美術 | 骨董品買取ブログ
掛軸の高額査定ポイント 2020年4月13日
掛軸の高額査定ポイント
少しずつ寒さもゆるやかになり、春らしい気候となりましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。
毎年この時期になると心機一転、部屋の模様替えや引越しなどで自宅の片付けを行った、という方も多いのではないでしょうか。
その際に、家の中から突然、古めかしい掛軸のようなものが出てきた、という場合には、ご注意ください。もしかするとその品物は大きな価値を持つ品かもしれません。
「価値があるかわからない」と処分をしてしまう前に、まずはそのお品物がどんなものなのか、確認をしてみてはいかがでしょうか。
今回は数ある骨董品の中でも、日本が誇る伝統文化の1つ、「掛軸」の買取に関する、重要なチェックポイントをご紹介いたします。
目次
- そもそも掛軸って?
- 掛軸の査定ポイントは4つ!
- POINT1.人気の作者が作成したものか
- POINT2.付属品が揃っているか
- POINT3.掛軸自体に傷があるか
- POINT4.直筆か、印刷物か
- 掛軸の価値を見抜くのは、難しい
- まとめ
そもそも掛軸って?
実家の床の間に飾ってあったり、泊まった旅館の床の間に飾ってあったり、意外と現在でも私たちの身近に感じられる掛軸ですが、「なぜ飾ってあるのか?」「どういう意味があるのか?」など、知らないことが多いかと思います。
掛軸とは、本来「掛けて拝する」ことに用いられ、礼拝の意味が強くあったそうです。持ち運びやすいことや、比較的生産がしやすいことから、日本の仏教と相性が良く、仏画用に普及したのが始まりとされています。
描かれている絵にもそれぞれ意味があり、その絵にこめられた願いや、季節の花の書いてあるものなど、四季の移ろいに合わせて飾り気軽に楽しめるのも掛軸の楽しみ方の一つです。
また、絵が描いてあるもの以外に、文字のみが書いてある「掛字(かけじ)」と呼ばれるものもあり、詩や、法語、戦国武将の手紙などがあります。他にも、茶道の茶室内で用いる禅語などを書いた「茶掛け」などもあります。
富山県では、今でも年末年始に子どもの健やかな成長と学業成就を願い、天神様と呼ばれ親しまれる菅原道真公が描いてある掛軸を飾る風習があるそうです。
他にも描かれている絵にはそれぞれ意味があり、老人の絵には「長寿」、橋や舟は「世渡り上手」等他にも様々なものがあり、その中には少し言葉遊びのようなものもあります。例えば、松と鶴の絵が描いてあるものは、松鶴と書いて「しょうかく」と読むことから、「昇格する」という意味で縁起が良いとされています。
掛軸の査定ポイントは4つ!
POINT1
人気の作者が作成したものか
これは大体の骨董品に言えることなのですが、やはり有名な作者の物は人気があり、高額買取に繋がりやすいです。
掛軸の絵の部分には基本的に作者名や落款(らっかん)と呼ばれるハンコが押してあるので、その落款の有無により、人気かどうかは分からなくとも、作者の作品であるかどうかということは知ることができるかと思います。
POINT2
付属品が揃っているか
掛軸の付属品には、共箱(ともばこ)と呼ばれる箱や、識箱(しきばこ)と呼ばれる鑑定書代わりになる箱があります。
また、掛軸によくあるのが、共箱と呼ばれる桐箱の上からもう一つ、紙でできた専用の箱に入っており、二重箱になっていることも多いです。
共箱や識箱に関しては、箱に書いてある文字が掛軸の絵と同じかどうか、絵にある落款と箱にある落款が一緒かどうか、というところで判断したりします。
書面で持っている鑑定書も、もちろんその物が本物である。と証明するもので、査定額を左右するので、もし、売却を考えている掛軸に関する物などが出てきた場合は、一緒に査定に出すのが良いでしょう。
POINT3
掛軸自体に傷があるか
一般的に傷というと、欠けなどが想像しやすいかもしれませんが、掛軸の傷というのは主に、日焼けやシミや破け、虫食いなどがあります。
こういった傷は、やはり品物としての価値を下げてしまいますが、傷があるからと言って価値が全く無くなってしまうわけではないので、経年による日焼けやシミがあるし…少し破けている、ホコリをかぶっているから…とあきらめず是非一度専門の査定員に見てもらうことをお勧めします!
特に古い掛軸は、虫食いなどがあってもその希少価値から比較的新しい掛軸よりも高額の査定額がつくことなどもあります。
POINT4
直筆か、印刷物か
掛軸には、直筆か印刷のものか2通りのものがあり、作家本人が描くものは技術や時間などもかかるため、もちろん印刷の工芸品や複製画よりも、希少価値が高く、高値で取り扱われます。
また、有名な作家の作品には贋作(がんさく)と呼ばれる偽物も多く存在しており、細かく作られたものは素人目では判断が難しくなります。
この3点の違いに関しては一見での判断は難しく、長年の鑑定で培った知識や経験が必要となります。
掛軸の価値を見抜くのは、難しい
今回紹介したポイントと照らし合わせて「作者名も落款もある」、「付属品がすべて揃っている」状態でも、作者自体が人気でなければ査定額が低くなる場合があり、購入時が高額だからといって一概にすべてが高額査定になるというわけではありません。
これとは逆に、古くて箱もなく出所がわからないものが高額査定になることもあります。このように、購入金額や保存状態だけでは査定額が判断しにくいことから他の骨董品と同じく、経験を積んだ査定員に見てもらうのが一番です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?作者や付属品、傷に関してはやはりどの骨董品にも精通していることではあります。なので、茶碗・掛軸などの骨董品が出てきたときなどは、1~3のポイントを確認してみてください。
また、最後に紹介したポイントは、絵画にもいえることです。弊社では、このように査定の難しい掛軸などをはじめ、様々な骨董品に対しお客様のお品物を今まで培った知識で、適正な価格をお出しすることができます。
「作者名が読めなくても価値があるの?」「古くて汚れているけど価値があるの?」などお悩みのことがあればぜひお気軽にお問い合わせください!